GNSS:全球測位衛星システム¶
GNSSとは、地球上のどこでも位置(緯度・経度・高度)や時刻を測定できる人工衛星システムの総称です。
GPSからGNSSへ
1990年代はアメリカのGPSだけが民間に開放されていたため、衛星測位システム全般を「GPS」と呼ぶことが一般的でした。しかし2000年代以降、ロシアのGLONASS、欧州のGalileo、中国のBeiDouなど、複数の独立した衛星測位システムが運用されるようになったため、これらすべてを総称する「GNSS」という用語が広く使われるようになりました。
GNSSの仕組み¶
GNSSによる位置測定は、以下の3つのステップで行われます。
- 衛星からの信号受信 - 複数の衛星が「自分の現在位置と時刻」を電波で常に送信しています
- 信号の到達時間を計算 - 受信機が衛星からの信号がどのくらい時間をかけて到達したかを測定します
- 位置情報の計算 - 複数の衛星からの情報を組み合わせることで、受信機の正確な位置(緯度・経度・高度)を計算します
必要な衛星の数
位置を確定するには、最低でも 4つの衛星からの信号 が必要です。 3つだと高度が計算できません。
主なGNSSの種類¶
GPS(アメリカ)¶
現在、世界でもっとも普及しているGNSSです。 スマートフォンやカーナビなど、民生用途でも幅広く使われています。 アメリカ国防総省(DoD)が1973年に本格的な開発を始めました。 1978年に最初の衛星が打ち上げられ、1993年に24基の衛星によるグローバル運用体制が整いました。 元々は軍用として設計されましたが、後に民間に解放された技術です。
GLONASS(ロシア)¶
ソ連/ロシアが1976年頃から開発を始めたとされています。 1982年に最初の衛星が打ち上げられ、1995年に24基の衛星によるグローバル運用体制が整いました。 北極や高緯度地域でも比較的衛星が見やすいという利点があります。
Galileo(EU)¶
欧州連合(EU)が2000年代に開発を始めました。2005年に最初の衛星が打ち上げられ、2016年に初期運用サービスが開始されました。 民間利用を重視して設計されたGNSSシステムです。
BeiDou(中国)¶
中国が1990年代から開発を始めました。 2000年代初頭に最初の衛星が打ち上げられ、2020年にグローバル運用体制が整いました。
QZSS(日本)¶
日本が開発した「準天頂衛星システム(Quasi-Zenith Satellite System)」です。 2010年に最初の衛星「みちびき」が打ち上げられ、2018年から実用運用が開始しました。 世界全体ではなく、日本・アジア太平洋地域を重点的にカバーするのが特徴です。 このように限定された地域の精度を高めるシステムを「地域補強」型と呼びます。
マルチコンステレーションGNSS¶
複数のGNSSから同時に信号を受信できる受信機を「マルチコンステレーション対応」と呼びます。 1つのGNSSだけでは、ビル街や谷間などで衛星が見えなくなったり、見える衛星が少なくて測位精度が低下したり、初期測位に時間がかかったりすることがあります。 複数のGNSSから信号を受け取ることで、より多くの衛星を利用でき、都市部や山間地でも正確で安定した測位が可能になります。 また、1つのGNSSに障害が発生しても、他のシステムで補うことができるため、信頼性が向上します。
GT502MMGモジュール
kurikintonsで使用しているGT502MGGモジュールは、GPS、GLONASS、BeiDou、Galileo、SBAS の5つのシステムに対応したマルチコンステレーション衛星受信機です。